〔NY金〕3日続伸、3422.80ドル=2週間ぶり高値(6日) 2025年05月07日 07時12分

 【ニューヨーク時事】6日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が7日発表する金融政策決定が注目される中、リスク回避的な金需要が膨らみ、3営業日続伸した。6月物の清算値(終値に相当)は前日比100.50ドル(3.03%)高の1オンス=3422.80ドルと、中心限月の清算値ベースで4月下旬以来、約2週間ぶりの高値を付けた。
 6、7両日開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)について、市場は政策金利の据え置きをほぼ織り込み済み。米高関税政策の影響が、米経済のリセッション(景気後退)入りや雇用悪化、インフレ再燃などを招くとの警戒が根強い中、FOMC声明やパウエルFRB議長の記者会見で、今後の金融政策の方向性を巡る手掛かりを得たいとの思惑が広がっている。投資家は安全資産としての金にひとまず資金を振り向けたため、相場はじりじり上値を試す展開となった。
 米政権の高関税政策の拡大や交渉を巡る不透明感も引き続き、金の買いを後押し。トランプ大統領は5日、ホワイトハウスで記者団に対し、輸入医薬品に対する追加関税について「今後2週間以内に発表する」と表明。輸入コストの引き上げにより、医薬品の国内製造を促進するのが狙い。米政権は、製造業の国内回帰を図るため、分野別の関税導入を進めているが、貿易の停滞や世界的な経済への深刻な影響が懸念されている。
 このほか、市場関係者の間からは、「労働節(メーデー)」に伴う5連休を終え、世界最大の金消費国である中国の市場が再開したことも、金の買い地合いを強めた要因と指摘する声も聞かれた。

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