〔NY外為〕円、142円台半ば(6日) 2025年05月07日 06時25分
【ニューヨーク時事】6日のニューヨーク外国為替市場では、米関税政策を巡る不透明感を背景に円買い・ドル売りが優勢となり、円相場は1ドル=142円台半ばに上伸した。午後5時現在は142円36~46銭と、前日同時刻(143円64~74銭)比1円28銭の大幅な円高・ドル安。
ベセント米財務長官は6日、下院歳出委員会の小委員会で証言し、早ければ今週中に重要な貿易相手国の一部と貿易協定に関する合意を発表する可能性があると述べた。一方でベセント氏は、中国と「まだ今のところ交渉していない」と明言。トランプ大統領も同日、ホワイトハウスで記者団に対し、中国側とは「会っていない」と言及した。中国を中心とした貿易相手各国との交渉進展への懐疑的な見方から、円買い・ドル売りの流れが強まった。
また米長期金利が低下したことで、日米金利差の観点からも円が買われた。米商務省が発表した3月の貿易赤字が1405億ドルと過去最大を更新し、予想(1290億ドル=ロイター通信調べ)を上回ったことも円を支えた。
ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を翌7日に控えて様子見ムードが広がり、円相場は142円台半ば付近で伸び悩む展開。政策金利の据え置きはほぼ確実視されているものの、トランプ氏がこれまで利下げを繰り返し要求してきた中で、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が今後の金融政策に関してどのような言及をするかが注目されている。
ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1361~1371ドル(前日午後5時は1.1310~1320ドル)、対円では同161円95銭~162円05銭(同162円61~71銭)と、66銭の円高・ユーロ安。