〔NY金〕3日ぶり反落、2765.00ドル(23日) 2025年01月24日 05時26分
【ニューヨーク時事】23日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、前日に2カ月半ぶりの高値を付けた反動から利食い売りに押され、3営業日ぶりに反落した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比5.90ドル(0.21%)安の1オンス=2765.00ドル。
前日の金塊相場は、米新政権の政策をめぐる不透明感が強まる中、清算値ベースで2カ月半ぶりの高値を付けた。23日はこの反動から、利益確定の売りや持ち高調整目的の売りが優勢となった。また、この日は米長期金利が上昇し、金利を生まない資産である金の魅力が減退したことから、売りが出やすかった。
トランプ米大統領は23日、スイスで開かれている世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でビデオ演説し、「史上最大規模の減税を実現する」と強調した。さらに金利が高過ぎるとし、「即座に低下させることを要求する」と述べた。これを受けて主要通貨でドルが軟化。ドル建てで取引される金塊の割安感につながり、金相場は発言直後から下げ幅を縮小した。
朝方発表された米新規失業保険申請件数は前週比6000件増の22万3000件と、市場予想(ロイター通信調べ)の22万件よりも悪化。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利の据え置きがほぼ確実視されているものの、年内利下げ継続の可能性も意識された。
ベルギー金属大手ユミコアは22日付の貴金属相場リポートで「市場は引き続き米国の関税政策に注目するだろう。一度混乱が落ち着けば、トランプ米政権は米景気を押し上げるために積極的な成長重視の政策を発表し、これらの政策が今後数カ月間に商品価格を押し上げる可能性がある」と指摘した。