〔NY石油〕WTI続落、74.62ドル(23日) 2025年01月24日 06時41分
【ニューヨーク時事】23日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、トランプ米大統領が産油国に対し原油価格を引き下げるよう要求したことをきっかけに売りが膨らみ、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値(終値に相当)は前日比0.82ドル(1.09%)安の1バレル=74.62ドルだった。4月物は0.67ドル安の74.02ドル。
トランプ氏は23日、スイス・ダボスで開催中の世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)にオンラインで参加し、サウジアラビアと石油輸出国機構(OPEC)に原油価格の引き下げを求める意向を示した。同氏は「現在の価格は(ロシア・ウクライナ)戦争継続を可能にするほど高い水準にある。原油価格を引き下げる必要がある」と話した。75ドル台後半で推移していた相場は講演後、74ドル台前半まで一気にレンジを切り下げる場面があった。
トランプ氏は関税やエネルギー政策についていまだ具体的な措置を発表していない。同氏の政策を巡る不透明感が世界の経済成長やエネルギー需要に悪影響を与える可能性があるとの連想も相場の重荷となった。
一方、米エネルギー情報局(EIA)が発表した17日までの1週間の米原油在庫は前週比100万バレル減と、市場予想(160万バレル減=ロイター通信調べ)を下回る取り崩しとなった。ロイター通信によると、2022年3月以来の低水準だという。ただ相場への影響は限定的だった。
▽ガソリン=5営業日ぶり反発。中心限月2月物の清算値は0.78セント高の1ガロン=206.56セント。 ▽ヒーティングオイル=3日続落。2月物の清算値は1.27セント安の1ガロン=247.15セント。