〔NY石油〕WTI下落、75.44ドル(22日) 2025年01月23日 05時59分

 【ニューヨーク時事】22日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、トランプ米新政権の関税引き上げを巡り不透明感が広がる中、下落した。この日から新たに中心限月となった米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値(終値に相当)は前日比0.39ドル(0.51%)安の1バレル=75.44ドルだった。4月物は0.31ドル安の74.69ドル。
 トランプ大統領は21日、中国製品への10%の追加関税の検討や欧州連合(EU)製品への追加関税に言及。22日にはSNSでロシアがウクライナ停戦交渉に応じない場合「他の参加国」と協力し、「最高水準の税金、関税、制裁をするしかない」と投稿した。ただ、具体的な措置は依然不透明であり、警戒感から相場は売りが優勢となった。
 一方、産油国イランのザリフ副大統領は22日、世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)の演説で、同国が核兵器を求めたことは一度もないと明言した。
 市場の次の注目材料は、米官民が発表する在庫週報(17日までの1週間)。市場予想(ロイター通信拡大版調査)では、原油在庫は前週比160万バレル減、ガソリン在庫は230万バレル増、ディスティレート(留出油)在庫は30万バレル増になったとみられている。週初のキング牧師生誕記念日の休日に伴い、官民の在庫週報はいずれも1日ずれ込み、米石油協会(API)週報は22日夕、エネルギー情報局(EIA)週報は翌23日米東部時間正午に発表される。
 ▽ガソリン=4営業日続落。中心限月2月物の清算値は2.65セント安の1ガロン=205.78セント。
 ▽ヒーティングオイル=続落。2月物の清算値は7.39セント安の1ガロン=248.42セント。

市況・概況