〔NY金〕続伸、2770.90ドル=2カ月半ぶり高値(22日) 2025年01月23日 05時11分

 【ニューヨーク時事】22日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米新政権の政策を巡る不確実性を背景に安全資産としての金が買われ、続伸した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比11.70ドル(0.42%)高の1オンス=2770.90ドルと、清算値ベースで史上最高値(2800.80ドル)を付けた昨年10月末以来約2カ月半ぶりの高値となった。
 トランプ米大統領は22日、ロシアがウクライナ停戦交渉に応じなければ、「他の参加国」と協力し、「最高水準の税金、関税、制裁をするしかない」とSNSに投稿した。トランプ氏は大統領就任日の20日には予想されていた一律関税や対中関税の即日発動を見送っていた。新政権の外交や関税政策が今後、地政学的リスクや物価、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策にどのような影響をもたすのか不確実性が強まる中、安全資産としての金需要やリスク回避的な資金の逃避先としての金買いが旺盛だった。
 外国為替市場で早朝にドルが対ユーロで軟化する場面では、ドル建てに伴う金の割安感を意識した買いが先行。あと、ドルが堅調を取り戻したものの、金の利食い売りは限定的だった。
 市場関係者の間からは、各国中銀による堅調な金購入に加え、投資目的の金需要が、現物需要の低下を相殺するとの見方が聞かれた。

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