〔NY金〕反発、2759.20ドル(21日) 2025年01月22日 04時32分

 【ニューヨーク時事】連休明け21日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、安全資産としての需要から買われ、反発した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前営業日比10.50ドル(0.38%)高の1オンス=2759.20ドル。
 トランプ米大統領は就任初日の20日、予想されていた全輸入品への10~20%の一律関税、および60%の対中関税の発動を見送った。ただ、同氏はその後、2月1日からメキシコとカナダに25%の関税を課すことを検討していると表明。これを受け、外国為替市場では21日朝にかけてドルの買い戻しが進行し、ドル建て商品の金は割高感に押されて軟調に推移した。
 しかし、ドルが再び下げに転じると、金相場はプラス圏に浮上。新政権が打ち出す経済政策を巡っては不透明感が強く、安全資産としての需要が相場を支えた。トランプ氏が主張する関税、移民、減税などの各政策はインフレ高進を招くとされるが、一方で化石燃料の増産を指向するエネルギー政策は物価押し下げに寄与する可能性がある。このため、米金利やドルの上昇が抑えられるとの見方もくすぶり、投資家は警戒姿勢を強めている。

市況・概況