〔東京外為〕ドル、149円台前半=売り一巡後は下げ渋る(16日午後3時) 2024年10月16日 15時10分

 16日午後の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、安達誠司日銀審議委員の発言を受けた売りが一巡した後は買い戻され、1ドル=149円台前半で下げ渋っている。午前中は同氏発言で下落したが、その後は戻り歩調が続いている。午後3時現在は149円32~32銭と前日(午後5時、149円21~22銭)比11銭のドル高・円安。
 ドル円は前日の海外時間に方向感を欠いた流れを受け、149円20銭前後で取引された。午前9時前にやや売られた後は実需筋の買いが入り、仲値にかけては149円30銭前後に浮上。その後、安達委員のタカ派的な発言で148円80銭台に反落したが、同水準では買い戻され、正午前後は149円20銭台に持ち直した。午後は、やや買われているが、上値は限られている。
 前日の欧州時間は、調整売りなどで148円80銭台に下落。その後は買い戻され、149円40銭近辺に戻った。米国時間の序盤は、弱めのニューヨーク連銀製造業景気指数を受けて148円90銭台に反落。中盤に149円50銭台に持ち直したが、終盤は米長期金利の低下が重しとなり、149円10~30銭台に伸び悩んだ。
 東京時間の午前は、安達委員の発言に振らされた。同委員は「金融政策が正常化プロセスに入る条件は既に満たしている」と発言。「タカ派的な姿勢と受け止められてドル円はいったん売られた」(為替ブローカー)が、売り一巡後は戻り歩調となった。午後も戻り歩調ながらも、値動きは限られた。安達委員は午後の会見で、「追加利上げの時期、何月とか意識しているわけではない」と述べたが、目立った反応はみられていない。
 ユーロも午後は対円で下げ渋っている。対ドルは小動き。午後3時現在、1ユーロ=162円54~55銭(前日午後5時、162円63~65銭)、対ドルでは1.0888~0888ドル(同1.0898~0899ドル)。

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