〔東京外為〕ドル、149円台半ば=終盤、調整買いで強含む(16日午後5時) 2024年10月16日 17時04分

 16日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、安達誠司日銀審議委員の発言を受けて上下した後は1ドル=149円台前半でもみ合ったが、終盤に調整的な買いが入り、強含む展開となった。午後5時現在は、149円44~46銭と前日(午後5時、149円21~22銭)比23銭のドル高・円安。
 ドル円は早朝、前日の海外時間に方向感を欠いた流れを受け、149円20銭前後で取引された。午前9時前に緩んだ後は実需筋の買いが入り、仲値にかけては149円30銭前後に浮上。その後、安達委員のタカ派的な発言で148円80銭台に反落したが、同水準では買い戻され、正午前後は149円20銭台に浮上。午後は149円台前半のレンジ圏内で推移した後、終盤に調整的な買いでやや水準を切り上げている。
 前日の欧州時間は、調整売りなどで148円80銭台に下落。その後は買い戻され、149円40銭近辺に戻った。米国時間の序盤は、弱めのニューヨーク連銀製造業景気指数で148円90銭台に反落。中盤に149円50銭台に持ち直したが、終盤は米長期金利の低下に圧迫され、149円10~30銭台に伸び悩んだ。
 東京時間の午前は、安達委員の「金融政策が正常化プロセスに入る条件は既に満たしている」との発言が、「タカ派的と受け止められ、売りが優勢になった」(為替ブローカー)という。もっとも売り一巡後は買い戻され、午後はレンジ取引が続いたが、終盤、調整的な買いが入った。ただ、「明日の米小売売上高を控えて、目先は新たなトレンドは出にくい」(大手邦銀)との声が聞かれる。
 ユーロも終盤、対円は強含み。対ドルは小動き。午後5時現在、1ユーロ=162円62~64銭(前日午後5時、162円63~65銭)、対ドルでは1.0882~0882ドル(同1.0898~0899ドル)。

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