〔NY石油〕WTI3日続落、70.58ドル(15日) 2024年10月16日 04時52分

 【ニューヨーク時事】15日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中東情勢の激化を懸念した過度な供給不安が後退し、3営業日続落した。米国産標準油種WTIの中心限月11月物の清算値(終値に相当)は前日比3.25ドル(4.40%)安の1バレル=70.58ドルだった。12月物は3.23ドル安の70.01ドル。
 米紙ワシントン・ポスト(電子版)は14日、関係筋の話として、イスラエルのネタニヤフ首相が、イランへの報復として、イランの核施設や石油施設ではなく、軍事施設への攻撃を計画していると米政権に伝達したと報じた。これを受け、産油国イランのエネルギー供給が遮断される可能性があるとの懸念が和らぎ、相場は終日マイナス圏で推移した。
 一方、国際エネルギー機関(IEA)は15日付の月報で、中国の需要低迷を受け、2024年の世界石油需要の伸びに関する見通しをさらに下方修正した。市場に大きな混乱がない限り、来年には大幅な供給過剰になるとの見通しも示された。これに先立ち、石油輸出国機構(OPEC)も14日公表した月報で24年と25年の世界石油需要の伸び予想をそれぞれ引き下げていた。生産側と消費側双方を代表する機関がそろって下方修正したことで、需要減退懸念が広がったことも相場を圧迫した。
 一方、一部の市場関係者の間では、地政学リスクが依然として相場を下支えているとの見方も聞かれた。イスラエル北部の訓練基地が13日、ドローンによる攻撃を受け、兵士4人が死亡。ネタニヤフ氏は、攻撃を認めたレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラに対し「レバノン全土で容赦ない攻撃を続ける」と強調した。
 ▽ガソリン=続落。中心限月11月物の清算値は7.09セント安の1ガロン=203.77セント。 ▽ヒーティングオイル=3営業日続落。11月物の清算値は8.65セント安の1ガロン=218.77セント。

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