〔NY石油〕WTI反発、83.38ドル=約2カ月ぶり高値(1日) 2024年07月02日 05時42分

 【ニューヨーク時事】週明け1日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中東地域での紛争拡大懸念などを手掛かりとした買いが膨らみ、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前週末比1.84ドル(2.26%)高の1バレル=83.38ドル。4月26日以来約2カ月ぶりの高値水準となった。9月物は1.68ドル高の82.32ドル。
 パレスチナ自治区ガザで、イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘が続く中、ハマスへの連帯を示すレバノンのイスラム教シーア派ヒズボラがイスラエルに対する攻撃を強化。事態沈静化へ向け、米国が両者に働きかけているものの、数週間以内に本格衝突に発展する可能性もあると報じられている。紛争がイランやイラク、イエメン、シリアなど周辺の産油国に拡大すれば、国際市場の石油供給が減少するとの懸念が買いを促した。
 また、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は6月初めの会合で、日量366万バレルの協調減産を2025年末まで延長することで合意。一方、欧米諸国が本格的な夏を迎える7~9月期は燃料需要の増加が見込まれることから、需給バランスが供給不足に傾くとの一部分析も相場の押し上げ要因となった。このほか、ハリケーンシーズンの到来を受け、主に米メキシコ湾岸付近の石油関連施設への影響も注目されている。
 ▽ガソリン=上伸。中心限月8月物の清算値は7.68セント高の1ガロン=257.83セント。
 ▽ヒーティングオイル=上伸。8月物の清算値は8.16セント高の1ガロン=261.47セント。

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