〔NY金〕続落、3015.60ドル(24日) 2025年03月25日 03時50分
【ニューヨーク時事】週明け24日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米政権の関税政策を巡る警戒感がくすぶる中、米長期金利の上昇や対ユーロでのドル高が圧迫要因となり、続落した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前週末比5.80ドル(0.19%)安の1オンス=3015.60ドル。
米政権が関税や非関税障壁が高い国・地域に相応の関税を課す相互関税の発動を4月2日に予定する中、トランプ米大統領は21日、中国の習近平国家主席と会談し、関税を巡り協議することを計画していると発表。また、米通商代表部(USTR)のグリア代表が中国側と電話協議することも明らかにしたほか、関税について柔軟に対応するとの見解も示した。一方、米ブルームバーグ通信は23日、当局者の話として、米政権が検討する輸入自動車への追加関税について、当初計画していた4月2日の正式発表を見送る予定だと報道した。ただ、依然として検討が続いているという。関税政策を巡る不透明感が広がり、取引前半は、安全資産としての金買いが入りやすい地合いだった。
ただ、S&Pグローバルがこの日発表した3月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値は前月から低下したものの、サービス業PMIは54.3と、前月(51.0)から上昇。市場予想(ロイター通信調べ)の50.8も上回った。これを受け、米長期金利が一段と上昇。対ユーロでドルが強含みに推移した。金利を生まない資産でドル建てで取引される商品である金は売り圧力にさらされ、あとマイナス圏に沈んだ。
市場参加者の間では、金需要は短期的に高い水準を維持するとの見方があったほか、米政権による4月2日の関税を巡る発表内容が市場が予想するよりも芳しくない場合、相場は3100ドルの節目を目指す可能性があるとの声も聞かれた。