806NY金

2025/3/14

3,001.10
+9.80 +0.32%

〔NY金〕4日続伸、3001.10ドル=最高値更新(14日) 2025年03月15日 04時16分

 【ニューヨーク時事】週末14日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、トランプ米政権による高関税政策に不確実性が高まる中で安全資産としての買いが引き続き優勢となり、4営業日続伸した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比9.80ドル(0.33%)高の1オンス=3001.10ドルと、中心限月清算値ベースで初めて3000ドル台に乗せた。
 トランプ米政権による高関税政策が貿易摩擦を招き、世界的な景気減速につながるとの観測から金に引き続き買いが集まった。トランプ米大統領は14日、自身のSNS上で、ロシアとウクライナの戦争が終結する可能性は「非常に高い」と強調したものの、ウクライナ停戦を巡る不透明感が引き続きくすぶり、金相場を支えた。
 ただ、3000ドルの心理的な節目を超えたことで、達成感から上値は重かった。ウォルシュ・トレーディングのバイス・プレジデント、ショーン・ラスク氏は「急速に買われてきたことで短期的には利益確定の売りが出やすい」と指摘した。
 14日深夜に失効する現行のつなぎ予算案について、上院民主党の幹部がつなぎ予算の延長法案に賛成する意向を示した。これを受けて、政府機関の一部閉鎖が回避される可能性が高まったことから投資家心理が改善し、金の重しとなった面もある。
 サクソバンクの商品戦略責任者、オール・ハンセン氏は「3000ドルの水準を超えたことで、利益を確定するための売りが続く調整期となり、2月の高値である2956ドル、さらに2930ドルまでの下落を誘発する可能性がある」と述べた。同氏はその上で、目標価格は3300ドルに維持すると述べた。