不確実性に「革新的解決策を」=ADB総会が開幕 2025年05月04日 20時55分

【ミラノ時事】アジア開発銀行(ADB)の年次総会が4日、域外加盟国のイタリア・ミラノで開幕した。神田真人ADB総裁は同日記者会見し、トランプ米政権の高関税政策などで世界経済の不確実性が急速に高まる中、「(加盟各国と)ともに革新的な解決策を模索することが重要だ」と語った。
2月に総裁に就任した神田氏にとって、初となるADBの年次総会。神田氏は「アジア諸国は自由貿易体制の恩恵を受けて発展してきたため、脅威にさらされやすい」と指摘した上で、ADBは途上国などを外的ショックから守る支援の準備を整えていると強調した。
総会は7日までで、日本からは加藤勝信財務相と日銀の氷見野良三副総裁が出席。会議では、民間主導の経済成長を促すため、投資環境の整備に向けた国際開発金融機関(MDBs)の役割なども議題となる。加藤財務相は4日のセミナーで、ADBと日本が民間資金動員のための新たな信託基金を設立、日本として2000万ドル(約29億円)を拠出すると明らかにした。