米景気「わずかに拡大」=物価急上昇を企業警戒―FRB報告 2025年07月17日 05時20分

15日、米ロサンゼルスで買い物をする人たち(EPA時事)
15日、米ロサンゼルスで買い物をする人たち(EPA時事)

 【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、全米12地区の連銀景況報告(ベージュブック)を発表した。経済活動が5月末から7月初めにかけて「わずかに拡大した」との見解を示した。「わずかに低下した」とした前回判断を上方修正した。また、企業が今後、消費者物価の急上昇を警戒していることが示された。
 FRB報告は「不確実性は高く、企業は引き続き慎重だ」と指摘した。自動車以外の消費支出は大半の地区で減少。自動車販売は、トランプ政権の高関税による値上げを控えた「駆け込み」購入が一服した。先行き見通しに関しては「中立からわずかに悲観的」とされた。
 物価は全地区で上昇した。すべての地区で、高関税に関連したコスト上昇圧力を報告。多くの企業は少なくとも一部を、値上げなどの形で消費者に転嫁した。また、幅広い分野の企業が今後数カ月、価格上昇圧力が引き続き高いと予想。消費者物価が「夏の終わりまでに」急速なペースで上昇し始める可能性の高まりに警戒感を示した。 

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