FRB理事、トランプ氏提訴へ=解任「権限ない」―米 2025年08月27日 05時06分

米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事=6月25日、ワシントン(AFP時事)
米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事=6月25日、ワシントン(AFP時事)

 【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事は26日、トランプ大統領の解任通告に対し、提訴する意向を明らかにした。法律で独立した地位が保障されたFRB理事を、大統領が辞めさせようとするのは極めて異例。FRBの独立性を揺るがすクック氏解任問題は法廷闘争に発展する見通しだ。
 トランプ氏は、利下げに慎重なパウエルFRB議長を批判し、繰り返し辞任を要求。クック氏解任という「非常手段」で、FRBへの圧力を一段と強めた形だ。クック氏の提訴意向を受け、FRBは声明で「裁判所の決定を順守する」と強調。トランプ氏も司法判断に従う考えを示した。
 トランプ氏は25日、クック氏が住宅ローンで優遇的な条件を得るために銀行への書類や不動産の記録を偽造したと主張する、住宅金融当局トップの書簡を踏まえ、「解任する十分な理由がある」と断じた。
 米メディアによると、クック氏の弁護士は声明で、「トランプ氏には解任する権限はない」と主張。解任通告は「(ローン不正疑惑に関する)書簡のみに基づいており、事実を踏まえた、もしくは法的な根拠に欠ける」とし、トランプ氏の不法行為に対し提訴する方針を表明した。 

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