イラン要人、「攻撃間近」情報軽視=核協議中で予期せず―米紙 2025年06月14日 18時52分

イラン軍のバゲリ参謀総長=2024年4月、テヘラン(AFP時事)
イラン軍のバゲリ参謀総長=2024年4月、テヘラン(AFP時事)

 【イスタンブール時事】イスラエルが13日行ったイラン攻撃で、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、殺害されたイランの要人は脅威が差し迫っているとの情報を軽視し、米国との核協議中の攻撃を予期していなかったと報じた。一連の攻撃ではバゲリ軍参謀総長ら少なくとも20人の高官が死亡。元原子力庁長官ら著名な核科学者9人も殺害された。
 イラン指導部筋は同紙に対し、要人らは警備が手薄な自宅などに滞在していたと指摘。革命防衛隊航空部隊トップのハジザデ司令官は、幹部が一堂に会することは避けるべきだとの命令を無視し、緊急会合を開いた首都テヘランの軍事施設で命を落とした。
 同紙によれば、イラン指導部の間では米国との次回核協議が予定されていた15日の前には攻撃はないとの考えが支配的だった。「攻撃間近」との報告は、イランに核開発での譲歩を迫るため、イスラエルが仕掛けたプロパガンダの一環と見なされたという。
 イスラエルへの報復を巡っても、不手際が露呈した。最大1000発の弾道ミサイルを撃ち込んで最大限の被害を及ぼす計画だったが、軍事基地を攻撃されてミサイルの移動と発射に手間取り、反撃規模の縮小を余儀なくされたとしている。 

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