容疑者の元生徒、遺書に「いじめ」=銃乱射で死者10人に―オーストリア 2025年06月11日 07時12分

10日、銃乱射事件が起きたオーストリア南部グラーツの高校前で犠牲者を悼む人々(EPA時事)
10日、銃乱射事件が起きたオーストリア南部グラーツの高校前で犠牲者を悼む人々(EPA時事)

 【ベルリン時事】オーストリア南部グラーツの高校で起きた銃乱射事件で、重体だった女性が10日午後、搬送先の病院で死亡した。犠牲者は計10人となった。地元紙によると、元生徒で犯行後に自殺した容疑者の男(21)の自宅から見つかった遺書には、在校中にいじめを受けたとの記述があった。男は同校を中退しており、警察が詳しい動機を調べている。
 事件は10日午前、グラーツ中央駅近くの高校で発生。男は合法的に所持していた拳銃と散弾銃で生徒や教師らを撃ち、女性7人と男性3人が死亡。10人以上が負傷し、1人は重体となっている。男は校内のトイレで自殺した。
 オーストリアは猟銃所持に特別な許可は不要で、人口100人当たり銃30丁を保有しているとされる欧州屈指の銃社会。ただ、乱射事件は珍しい。シュトッカー首相は「全ての国民が感じている痛みや悲しみは、筆舌に尽くし難い」と強調。政府は11日から3日間を服喪期間とすると宣言した。 

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