米中、貿易枠組みで合意=レアアース規制「解消」期待―閣僚協議 2025年06月11日 06時26分

握手するスコット・ベセント米財務長官(左)と何立峰中国副首相=9日、ロンドン(米財務省提供)
握手するスコット・ベセント米財務長官(左)と何立峰中国副首相=9日、ロンドン(米財務省提供)

 【ワシントン、北京時事】米中両政府は10日、英ロンドンで2日目の貿易協議を開いた。ラトニック米商務長官は終了後、記者団に対し、両国が5月の閣僚級協議で一致した内容を履行する「枠組み」で合意したと表明。これにより「レアアース(希土類)の問題は解消される」との期待を示した。両国はレアアースの輸出規制を巡って対立していた。
 ラトニック氏は、枠組みについて「貿易の拡大を議論する第一歩だ」と述べ、対中貿易赤字削減に向けたものだと説明。懸案となっていたレアアースの輸出規制を念頭に、「ネガティブなものを排除しなければならなかった」と語り、中国による合意履行に自信を示した。
 合意内容について、トランプ米大統領の承認を得るという。中国側も習近平国家主席に報告する。ロイター通信によると、中国商務省の李成鋼国際貿易交渉代表は「世界経済の発展に良いエネルギーを注ぐ」と強調。「今回の進展が米中の信頼強化に資することを望む」と話した。
 一方、香港フェニックステレビは、李氏が両国間のこれまでの合意を「原則的に実施する」と強調したと伝えた。中国国内のメディアは今回の協議の結果について、ほとんど報じておらず、双方の隔たりが大きかった可能性もある。
 ベセント財務長官とラトニック氏、グリア米通商代表部(USTR)代表が、中国の何立峰副首相、李氏らと9日から協議していた。 

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