首相に側近の金民錫氏=安保室長に元外交官の魏氏―韓国大統領 2025年06月04日 14時19分

4日、ソウルの韓国大統領府で記者会見し、政府高官人事を発表する李在明大統領(中央右)。(左から)国家情報院長に起用された李鍾※(※夾の人が百)・元統一相、首相に起用された金民錫議員ら
4日、ソウルの韓国大統領府で記者会見し、政府高官人事を発表する李在明大統領(中央右)。(左から)国家情報院長に起用された李鍾※(※夾の人が百)・元統一相、首相に起用された金民錫議員ら

 【ソウル時事】韓国の李在明大統領は4日、新政権の首相に、側近で革新系政党「共に民主党」の金民錫最高委員(61)を指名すると発表した。当選4回のベテラン議員。また、外交・安全保障政策を統括する国家安保室長には、元外交官で李氏の外交ブレーンの魏聖洛・元ロシア大使(70)を充てる。
 金氏はソウル大卒で、学生運動家出身。李氏が尹錫悦氏に惜敗した前回2022年の大統領選や今回の選挙で選対幹部を務めた。首相は共に民主党が過半数を握る国会の同意を経て任命される。
 李氏は記者会見で「国政全般に洞察力がある」と説明したが、通常約2カ月の政権引き継ぎ期間がないことから、李氏が信頼を置く党幹部を選んだとみられる。
 魏氏は外務省北米局長や在米大使館の政務公使などを歴任。北朝鮮核問題や対ロシア外交にも通じており、新政権が掲げる国益を中心とした「実用外交」のかじ取り役を担う。李氏の外交ブレーンとして4月に時事通信のインタビューに応じ、米韓同盟と日韓、日米韓の協力を重視する外交路線を強調していた。
 一方、情報機関、国家情報院(国情院)の院長には盧武鉉政権で対北朝鮮融和政策の中核を担った統一政策の専門家、李鍾※(※夾の人が百)・元統一相(67)を起用。北朝鮮とのチャンネル再開を期待している可能性もある。 

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