21日からジャクソンホール会議=9月利下げ、FRB議長講演が焦点 2025年08月20日 14時29分

【ワシントン時事】米カンザスシティー連邦準備銀行が主催する経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が21~23日、西部ワイオミング州で開かれる。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は22日に講演。9月に利下げする可能性について、どこまで踏み込んだ発信をするかが最大の焦点だ。
8月初めに公表された雇用統計は、5、6両月の非農業部門の就業者数を大幅に下方修正し、労働市場の急速な鈍化が鮮明になった。景気減速への懸念が強まり、市場では9月利下げの可能性がかなり織り込まれている。
来年5月までが任期のパウエル氏は、議長として最後の出席となる見通し。昨年の講演では、「時が来た」と金融緩和への政策転換を示唆。同年9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で4年半ぶりとなる0.5%の利下げに踏み切った。
外圧も強まる。トランプ大統領はかねて「遅過ぎる」と繰り返し、パウエル氏の解任もちらつかせながら利下げを求めてきた。ベセント財務長官は今月中旬、米メディアとのインタビューで「9月に0.5%の利下げを検討すべきだ」と迫った。
7月の米消費者物価指数(CPI)の前年同月比の伸び率は前月から変わらず、市場予想を下回った。トランプ政権の高関税措置による物価への影響は顕在化していないものの、インフレ再燃の懸念はくすぶる。経済情勢や金融政策運営を巡るパウエル氏の発言に、世界の注目が集まる。