米、貿易不均衡解消と国防費増を要求へ=トランプ氏、過去に名指し非難―韓国大統領選 2025年06月04日 07時17分

【ワシントン時事】トランプ米政権は、韓国大統領選で李在明氏が勝利したことを受け、対米貿易不均衡の解消や国防費の増額といった要求を強める構えだ。米国は李氏の同盟重視の姿勢を歓迎しているが、革新系の同氏が掲げる国益中心の「実用外交」を警戒する向きもある。
「韓国が米国製品に課す関税は(米国の)4倍だ。軍事面などさまざまな形で多大な支援をしているにもかかわらずだ」。トランプ大統領は3月の議会演説で韓国を名指しで非難し、高関税政策を通じて貿易不均衡を是正する必要があると主張した。
トランプ政権は関税交渉を通じ、韓国に対米投資の増額も迫る。「韓米同盟は重要で、拡大・発展させていくべきだ」と語る李氏だが、自国経済の低迷が続く中、米国の要求にどこまで答えることができるかは不透明だ。
安全保障面では、トランプ政権は台湾への軍事的威圧を強める中国の抑止を重視している。韓国の自助努力による防衛力強化は米軍の負担軽減につながるため、米政府は国防費を増やすよう韓国に圧力をかけるとみられる。在韓米軍に関しても、「地域の安全保障環境の現実に合わせた調整が不可欠だ」(米当局者)という立場から、規模縮小を目指すとの見方が強まっている。
米シンクタンク、ブルッキングス研究所のアンドリュー・ヨー上級研究員は「韓国が朝鮮半島を越えた地域でより大きな役割を果たすことをトランプ政権は望んでいる」と指摘。トランプ、李両氏の首脳間の個人的関係がとりわけ重要で、同盟の行く末を左右すると分析する。