捕虜交換合意も停戦進展せず=ロ・ウクライナ、2回目直接協議 2025年06月03日 07時34分

ロシアのウクライナ侵攻を巡る両国の直接協議が2日、トルコ最大都市イスタンブールで実施された。両国代表団はそれぞれの和平案(覚書)を交わすとともに、新たな捕虜交換で合意。ただ、ロシアが主張する「停戦の条件」にウクライナ側は反発しており、停戦で進展はなかった。ウクライナ側は今月下旬の再協議を提案した。
直接協議は5月に3年ぶりに再開して以来2回目で、約1時間で終了した。ロシアのプーチン政権は即時かつ無条件の全面停戦を一貫して拒否した。ウクライナは事前に覚書を示していたが、ロシアは2日の協議の場で初めてウクライナ側に渡した。停戦を先延ばしにするための時間稼ぎを図ったとみられる。
協議では重傷者と25歳以下の捕虜全員を交換することで合意。ロシア代表団は「過去最大」規模でそれぞれ1200人が帰還する可能性があるとの見方を示した。
捕虜交換は過去にも行われてきたが、積み重ねは当事国間の一定の信頼醸成につながる。仲介したトルコのフィダン外相はX(旧ツイッター)で「直接協議は建設的な雰囲気で行われた」と評価し、首脳会談の準備も続くと説明した。
ただ、ロシアは覚書の中で、停戦の条件として、一部占領する東・南部4州からのウクライナ軍撤退を改めて主張。西側諸国による軍事支援中止なども要求した。ウクライナのゼレンスキー政権は反発している。
ゼレンスキー大統領によれば、ロシアも次回協議を6月末から7月初めに実施する用意がある。タス通信の報道によれば、再びイスタンブールで開催が見込まれる。(時事)。
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