国境での難民拒否は「違法」=司法判断、政権は反発―独 2025年06月03日 07時10分

【ベルリン時事】ドイツの裁判所は2日、国境で難民申請者の入国を拒んだ政府の措置を「違法」と判断した。難民受け入れの制限を目玉施策に据えていたメルツ新政権にとって逆風となる。ドブリント内相は反発し、厳格な国境管理を継続する考えを表明した。
メルツ政権は発足直後の5月7日、難民受け入れに寛容な政策を撤回して国境管理を強化した。同9日にポーランドから鉄道でドイツ入国を図ったソマリア出身の3人は、国境警察に難民申請を行ったが入国を拒まれ、異議を申し立てていた。
ベルリンの行政裁判所は警察の対応について、最初に難民申請を受けた国が手続きを行うとした欧州連合(EU)の規則に反すると判断。政府は「治安上の危険性」を理由に規則を棚上げできると主張したが、裁判所は認めなかった。
ドブリント氏は厳格な対応には「法的根拠がある」と主張しているが、連立の一角を占める中道左派の社会民主党(SPD)内にも、国境での難民拒否を問題視する声がある。