「法の番人」選挙で初投票=三権分立に懸念も―メキシコ 2025年06月01日 23時25分

【サンパウロ時事】メキシコで裁判官を国民の投票で決める初の選挙が1日、行われた。連邦や州などが管轄する国内ほぼ全ての裁判官ポストが対象。任命制を基本とする「法の番人」に対し、こうした規模で公選制が導入されたのは世界で初めて。政権側は「民意が反映される」と主張するが、民主国家の基盤となる三権分立が脅かされ、司法が犯罪組織などの影響を受けやすくなるとの懸念も出ている。
裁判官の公選制は米国などで部分的に実施。日本では最高裁裁判官の罷免を投票で決める国民審査制度がある。メキシコは数千人の裁判官ポストを今年と2年後の2回の投票に分けて入れ替える。
今回は全部で約2700人の裁判官を選出。最も注目される連邦最高裁は9人のポストに対し、司法、行政、立法の各機関から64人が立候補。投票結果は15日に公表される見通し。