ミャンマー国軍への抵抗、映像で=タイで機材貸与、100件超 2025年03月23日 14時10分

【メソト(タイ北西部)時事】タイ北西部メソトに拠点を置く日本人ジャーナリストらの団体「Docu Athan(ドキュ・アッタン)」は、隣国ミャンマーでの国軍の弾圧から逃れて来た映像作家らにカメラなどを貸し出している。貸与は100件以上となり、大半が国軍への抵抗を記録するのに使われている。
発起人は、2021年のクーデター後のミャンマーで拘束された経験があるジャーナリストの北角裕樹さん(49)とドキュメンタリー作家の久保田徹さん(29)。「アッタン」はミャンマー語で「声」「意見」などを意味する。
撮影機材の貸与は23年12月から始め、昨年9月にメソトに事務所を開設。ミャンマー人スタッフとして、クーデター前は結婚式などのカメラマンだったが国軍への抵抗運動に参加し、タイ側に避難したピョーダナーさん(30)が常駐している。
北角さんによると、メソトには国軍の弾圧などから逃れた100人以上のミャンマー人ジャーナリストや映像作家らがいる。ピョーダナーさんも機材を借りて軍事政権に反対する映像を制作している。
ピョーダナーさんは、国軍に抵抗する民主派組織に参加した弟を戦闘で亡くしており、「私の作品を通じて、若者らには武器を手に取るだけでなく人道支援も考えてほしい」と強調。北角さんは「ミャンマーで民主化が実現したら、メソトにいる仲間らと一緒にメディアの立て直しをしたい」と語った。