ドゥテルテ前比大統領、ハーグへ移送=ICCが公判手続き開始へ 2025年03月12日 07時43分

【マニラ時事】フィリピンのドゥテルテ前大統領(79)が大統領在任中、「麻薬戦争」で密売人の超法規的な殺害を命じた行為が「人道に対する罪」に当たるとして逮捕された事件で、同氏を乗せたチャーター機は11日夜(日本時間12日未明)、マニラ首都圏の国際空港から出発、国際刑事裁判所(ICC)があるオランダ・ハーグに向かった。
AFP通信などによると、ICC報道官はドゥテルテ氏に対して逮捕状を発付したことを正式に確認した。ハーグに到着次第、公判開始に向けた手続きを行うという。
ドゥテルテ氏は11日午前、訪問先の香港から同空港に帰国した際に警察当局に逮捕された。チャーター機が出発するまで、現場は混乱を極めた。
「ドゥテルテ氏は既に搭乗した」という弁護士の説明から、チャーター機の離陸まで約2時間。この間、長女のサラ副大統領は、空港近くで報道陣に対し「政治的な動機に基づく略取だ。ハーグに向かう用意はできている」などと猛抗議。12日朝、この言葉通りオランダに向かった。最高裁が逮捕に関するドゥテルテ氏側の異議申し立てを認め、ドゥテルテ氏は出国しないのではないかとの情報も駆け巡った。
そうした中、ドゥテルテ氏の政敵であるマルコス大統領も記者会見。逮捕の経緯について「ドゥテルテ氏が帰国する数時間前にICCの逮捕状を示され、協力を求められた。民主国家として受諾した」などと、淡々とした様子で説明した。
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