カナダ次期首相「金融界の風雲児」=唯一の外国人英中銀総裁 2025年03月10日 16時59分

9日、オタワで演説するカナダ自由党新党首のマーク・カーニー氏(AFP時事)
9日、オタワで演説するカナダ自由党新党首のマーク・カーニー氏(AFP時事)

 「金融界の風雲児」が、カナダ国民4100万人を率いることになった。次期首相のマーク・カーニー氏は2008年、42歳の若さでカナダ銀行(中央銀行)総裁に就任。同年発生したリーマン・ショックでカナダ経済を崩壊から救った手腕を買われ、13年には英中央銀行であるイングランド銀行の総裁に起用された。300年を超える同行の歴史で、外国人の総裁はカーニー氏だけだ。
 1965年、カナダ北西部ノースウェスト準州で、教師の両親の下に生まれた。奨学金を得て米ハーバード大で学び、英オックスフォード大で経済学の修士号と博士号を取得。米金融大手ゴールドマン・サックスに入り、ロンドンやニューヨーク、東京などのオフィスで13年間勤務した。
 イングランド銀行総裁時には、英国の欧州連合(EU)離脱に直面。英通貨ポンド急落などの難局を乗り切った。総裁退任後は国連の気候変動に関する特使として、環境問題にも取り組んできた。
 学生時代はアイスホッケーに打ち込んだ。英国出身の経済学者のダイアナ夫人との間に4人の娘がいる。 

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