万博で国交正常化60周年機運醸成を=議連メンバーらが訪日へ―韓国与党議員 2025年03月09日 06時16分

【ソウル時事】韓国の与党「国民の力」に所属する国会議員、李成権氏が9日までに時事通信のインタビューに応じた。日韓国交正常化60周年に合わせ交流や関係発展の機運を高めるため、4月に開幕する2025年大阪・関西万博に際し、韓日議員連盟を中心とした議員団が訪日すると明らかにした。尹錫悦大統領が弾劾訴追され、韓国政局が混迷を極める中「外交や安全保障面のリーダーシップの空白は致命的」だと指摘し、議員外交の重要性を強調した。
李氏は2000年代初めに自民党の河野太郎衆院議員事務所で勤務し、12~15年に神戸総領事を務めた知日派。1月には国会議長特使団の一人として訪日し、石破茂首相らと面会した。
李氏は「多くの韓国人が万博を直接見に行けるよう努力する」と述べ、大阪・関西万博支援に意欲を見せた。同時に、秋に韓国で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への日本の協力にも期待を表明。両国での大型イベントを「友好の雰囲気を拡大する機会としたい」と訴えた。
国交正常化から60年の歩みを李氏は、「経済、文化、自治体交流など前向きで発展的関係が築かれた」と振り返った。一方で、懸案となってきた元徴用工問題に関しては、韓国政府傘下の財団への日本企業の資金拠出が必要だと強調。日本政府にも「企業を後押しする努力が必要だ」と注文を付けた。
トランプ米政権の発足を受け、対北朝鮮での日米韓の連携に不透明感が増す中、李氏はトランプ氏が「北朝鮮の核問題に介入する可能性が高い」と分析。米国が北朝鮮の核兵器を認め軍縮交渉を進めることが「最悪のシナリオ」だと憂慮した。日韓が協力し、3カ国が足並みのそろった行動を取れるよう「米国を説得することが重要だ」と語った。