中国最高検「悪質犯罪は厳罰」=治安懸念に対応―全人代 2025年03月08日 16時14分

【北京時事】中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で8日、最高人民検察院(最高検)の応勇・検察長が報告を行い、「国家安全を脅かす犯罪や重大な暴力犯罪、極端に悪質な犯罪は法に基づき厳重に処罰する」と述べた。各地で無差別殺傷事件が相次いだことを受け、国民の不安払拭に努めた形だ。
応氏は、昨年、殺人や強盗、誘拐など重大犯罪で約6万人を起訴したと明らかにした。その上で、起訴は「厳正かつ迅速」に行われたと説明した。
中国では昨年11月、広東省珠海市で男が車で暴走し、78人が死傷する事件が起きた。同月には、江蘇省無錫市の職業教育学校で男が刃物で生徒らを切り付け、25人が死傷する事案も発生した。景気低迷に伴う生活苦や社会への不満が背景にあるとされ、治安への懸念が高まっている。
一方、国際問題化したミャンマー東部に拠点を置く中国系犯罪集団によるオンライン詐欺を巡り、犯罪組織のメンバーら7万8000人を起訴したと強調。詐欺を巡る起訴件数は前年から53.9%増えた。
また、習近平政権が進める汚職摘発の「反腐敗」関連では2万4000人を起訴し、そのうち34人が省や官庁の幹部クラスだったことも明らかにした。