トランプ劇場、「観客」は分断=抗議の民主議員は退場―米議会演説 2025年03月05日 16時21分

【ワシントン時事】トランプ米大統領は4日の議会演説で「米国は勢いを取り戻した」と高らかに表明し、就任から1カ月半の自らの成果を誇示した。「トランプ劇場」と化した連邦議会では、与党共和党の議員が響き渡る拍手で喝采する一方、野党の民主党はほとんど静まり返ったまま。有権者を代表する「観客」は見事に分断されていた。
トランプ氏が議場に姿を現すと、共和党議員らが一斉に起立して、「USA」コールが起こった。紺色のスーツに紫色のネクタイ。冒頭で、「国民の皆さん、米国は復活した」と切り出し、さらに「アメリカン・ドリーム(米国の夢)はかつてないほど盛り上がっている」と呼び掛けた。
その数分後に民主党のグリーン下院議員(テキサス州)が突然立ち上がって、つえでトランプ氏を指しながら大声で抗議。ジョンソン下院議長から着席を求められても拒否し、退場を命じられる一幕があった。
トランプ氏が政府機関の縮小、ウクライナ停戦への取り組み、不法移民対策などの成果に言及するたびに、共和党議員らはスタンディングオベーションでたたえた。これに対し民主党議員らは「それはうそ」「王は不要」といったプラカードを無言で掲げた。
トランプ氏は「民主党議員を喜ばせたり、立ち上がらせたり、笑顔にさせたり、拍手をさせたりするようなことは何も言えない」とも発言し、分断の根深さを浮き彫りにした。演説時間は約1時間40分。最初の1時間で十数人の民主党議員が退席していた。
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