トランプ大統領、打倒「闇の政府」強調=政府縮小、マスク氏礼賛―議会演説 2025年03月05日 16時18分

【ワシントン時事】「無責任な官僚組織から権力を取り戻す」―。トランプ米大統領は4日の議会演説で、「ディープステート(闇の政府)」と敵視する連邦政府を徹底的に改革する姿勢を改めて示した。賛否ある「政府効率化省」の先頭に立つ実業家イーロン・マスク氏の働きぶりも称賛した。
トランプ氏は「不法移民の無料住宅に220億ドル」「モルドバでの左翼プロパガンダ活動に3200万ドル」などと政府の「無駄遣い」の事例を列挙。社会保障関連費の支払先に「360歳の人も含まれている」と、政府の腐敗ぶりを強調した。
また、年間約5000億ドルに達する政府による「不正」を止めると約束。議場でマスク氏を紹介し、「彼はとても熱心だ。多額の不正を発見した」と褒めちぎった。
ただ、核兵器の管理や偽情報工作の対処に当たる職員ら必要な人員も誤って解雇されるなど、「削減ありき」の乱暴で不透明な手法には厳しい目も注がれている。ワシントン・ポスト紙の2月の世論調査によると、マスク氏の政府内の役割に49%が不支持を示し、支持の34%を上回った。