ガザ、来週戦闘再開の可能性も=イスラエル強硬、停戦延長の合意困難 2025年03月04日 15時30分

ウィトコフ米中東担当特使=2月20日、フロリダ州マイアミビーチ(AFP時事)
ウィトコフ米中東担当特使=2月20日、フロリダ州マイアミビーチ(AFP時事)

 【エルサレム時事】イスラエルメディアは3日、パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとの停戦交渉を巡り、イスラエルが希望する新たな人質解放に向けた協議が停滞していると報じた。イスラエル当局者はこのままハマスとの間で新たな合意が形成されない場合、来週にも戦闘が再開される可能性があると予測しているという。
 イスラエルのサール外相は4日の記者会見で、停戦第2段階入りは「ガザの完全非武装化と人質全員の解放」が条件という従来の強硬姿勢を改めて示した。AFP通信によると、ハマス幹部は「抵抗のための武器に関する協議はレッドライン(越えてはならない一線)だ」と拒否した。
 第1段階が今月1日に期限を迎えた後、イスラエルは米国が提案した4月20日ごろまでの停戦一時延長案に同意。ハマスはイスラエル軍完全撤退を含む第2段階への移行を求め、協議は進んでいない。
 ロイター通信によると、米国務省報道官は3日、ウィトコフ中東担当特使が数日内に中東地域を訪問する計画だと明らかにした。ガザ停戦の「第1段階の延長や、第2段階への移行について(問題の)打開を図る」ためと説明した。
 ハマスに停戦延長案の受諾を迫るイスラエル政府は2日、ガザへの人道支援物資の搬入を停止。今後もハマスへの圧力を強める意向で、ガザへの水や電力の供給を止めることが検討されているという。
 イスラエルメディアによれば、ある当局者は、ハマスがウィトコフ案に同意しなくても、引き続き人質とパレスチナ人収監者の交換に応じる可能性があると指摘した。ただ、関係筋からは「人質解放への見返りとしてハマスに何を与えるのかを考えなければならない」との声が出ている。
 カッツ国防相は3日、ハマスがさらに人質を解放しなければ「ガザの門は閉ざされ、地獄の門が開く」と強調。戦闘は再開され、イスラエル軍の強力な対応に直面することになると圧力をかけた。 

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