台湾TSMC、米で15兆円投資=先端半導体の生産強化 2025年03月04日 09時49分

【ニューヨーク、ワシントン時事】半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は3日、米国で1000億ドル(約15兆円)を追加投資すると発表した。先端半導体の生産体制を強化する。トランプ米大統領と同社の魏哲家・最高経営責任者(CEO)が同日、ホワイトハウスで明らかにした。
TSMCはこれまでに、米西部アリゾナ州に3カ所の半導体工場を設ける計画を発表。総投資額は650億ドルに上ると説明していたが、追加投資により1650億ドルに拡大する。第1工場では既に、回路線幅4ナノメートル(ナノは10億分の1)の半導体の量産を開始した。
TSMCは米アップルやエヌビディアなど世界的なハイテク大手を顧客に持つ。魏氏は「人工知能(AI)やスマートフォンの成長を支援するため多くの半導体を生産する」と説明した。トランプ氏は過去に、台湾が米国の半導体ビジネスを奪ったと批判。製造業の米国回帰を目指し、半導体など幅広い品目に新たな関税を課す考えを示しており、こうした政策に対応した形だ。