核は「悪魔の兵器」=締約国会議で被団協が訴え―米 2025年03月04日 07時19分

【ニューヨーク時事】米ニューヨークの国連本部で3日、核兵器禁止条約の第3回締約国会議が5日間の日程で開幕した。昨年ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の浜住治郎さん(79)が演説し「原爆は未来を奪う『悪魔の兵器』だ」と述べ、廃絶に向けた取り組み強化を訴えた。
被団協で事務局次長を務める浜住さんは、母親の胎内にいる時に広島で被爆した胎内被爆者。会議に集まった各国代表を前に「(誕生前の)若い細胞にとって放射線の影響は計り知れない」と核兵器の非人道性を強調した。その上で核兵器を「違法」として全面的に禁じる核禁条約は「被爆者にとって悲願だ」と語り、参加国の拡大など条約の発展を期待した。
一方、米国の「核の傘」に頼る日本政府は3回連続でオブザーバー参加を見送った。会議を傍聴したカナダ在住の被爆者サーロー節子さん(93)は「どの国の政府よりも(核)問題を熟知しているはずの日本政府が出てこないのは情けない」と批判した。
2017年の核禁条約採択に貢献した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」のパーク事務局長も3日の記者会見で「被害者支援や環境修復に関する知見を多く持つ日本が不参加なのは非常に残念だ」と話した。
その他の写真

