イラン副大統領が再び辞意=保守強硬派の圧力か 2025年03月03日 17時58分

【イスタンブール時事】イラン国営メディアによると、ザリフ副大統領(戦略担当)が3日、再び辞意を表明した。自身のSNSで「この半年で私や家族が侮辱や脅迫を受けてきた」と説明した。改革派のペゼシュキアン大統領が率いる政権は、公約に掲げる米欧の制裁解除や経済立て直しで目立った成果を出せず、対立する保守強硬派からの圧力が増しているもようだ。
イランでは2日にも、保守強硬派が多数を占める国会で、経済失政を理由にヘンマティ経済財務相を罷免する決議案が可決されたばかり。イランに厳しいトランプ米政権の発足などで改革派に対する風当たりも強まっており、国際社会との対話重視を掲げた政権運営にも影響を及ぼす可能性がある。
穏健派のロウハニ元政権で外相を務め、米欧などとの核合意をまとめたザリフ氏は、昨年8月に発足したペゼシュキアン政権で副大統領に就いた。子供が米国との二重国籍を持つことなどを理由に一度は辞意を示したが、その後慰留されて撤回した。