豪首相、生ビール増税の凍結公約=次期選挙で巻き返し狙う 2025年03月03日 15時00分

【シドニー時事】オーストラリアのアルバニージー首相(労働党党首)は、5月までに実施される次期総選挙で政権を維持できた場合、飲食店で提供される生ビールの増税を2年間凍結する意向を表明した。インフレで労働党政権に逆風が吹く中、物価対策の公約の一つに据えて巻き返しを図る考えだ。
アルバニージー氏は1日、最大都市シドニー近郊のビール醸造所を訪れ、増税凍結案を発表。毎年2月と8月に物価上昇に連動させて行っている生ビール増税を8月分から2年間停止すると約束した。同氏は「飲む人、造る人、お店にとって勝利だ」と強調した。
生産者団体によると、標準的な生ビール税は568ミリリットルの大グラス1杯当たり90豪セント(約84円)。ここ数年のインフレで大幅に上昇し、先月も約3%引き上げられたばかり。労働党政権は電気料金補助などの物価対策を講じてきたが、支持率低下に歯止めがかからず、風向きを変えようと必死だ。