作品賞に「アノーラ」、最多5冠=日本人3作品は受賞逃す―米アカデミー賞 2025年03月03日 09時17分

【ロサンゼルス時事】米映画界最高の栄誉とされる第97回アカデミー賞の授賞式が2日(日本時間3日)、ロサンゼルスで開かれ、作品賞にストリップダンサーの女性のシンデレラストーリー「ANORA アノーラ」が輝いた。同作は主演女優賞や監督賞など最多5冠を獲得した。ジャーナリストの伊藤詩織さんら日本人監督が手掛けた3作品は、いずれも受賞を逃した。
「アノーラ」のショーン・ベイカー監督はスピーチで「映画館で(観客が)共に泣き、笑うことは世界が分断されている時、かつてないほど重要だ」と述べた。映画館を、感情を分かち合う相互理解の場と位置付け、足を運ぶよう呼び掛けた。
ナチス・ドイツの迫害を逃れ米国に渡ったユダヤ人建築家の半生を描く「ブルータリスト」は3部門を受賞。2度目の主演男優賞となったエイドリアン・ブロディさんは記者会見で「不寛容には居場所がないと認識する重要な時期だ」と述べ、反ユダヤ主義や人種差別にあらがうよう訴えた。
伊藤さんが、自身の受けた性被害を実証する闘いを記録した「Black Box Diaries」は長編ドキュメンタリー映画賞に日本人として初めてノミネートされていた。山崎エマ監督の「Instruments of a Beating Heart」と西尾大介監督の「あめだま」も、それぞれ短編ドキュメンタリー映画賞、短編アニメ映画賞の候補に入ったが、及ばなかった。
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