米ウクライナ首脳会談、決裂=鉱物合意文書、署名至らず―対ロシア姿勢巡り口論 2025年03月01日 02時58分

【ワシントン時事】トランプ米大統領は28日、ウクライナのゼレンスキー大統領とホワイトハウスで会談した。ウクライナの鉱物資源の権益を巡る合意文書への署名と関係修復が目的だったが、両首脳はウクライナ侵略を続けるロシアとの対話を巡り、激しい口論を展開。ゼレンスキー氏は文書に署名せずにホワイトハウスを離れ、会談は決裂した。
1月の第2次トランプ政権発足後、両首脳が対面で会談したのは初めて。会談が物別れに終わったことで、トランプ氏が目指すウクライナでの停戦実現は一気に不透明感を増した。
トランプ氏は記者団に公開された冒頭のやりとりで、鉱物資源に関する合意を「非常に公平な取引だ」と評価。ゼレンスキー氏も「ウクライナの安全の保証に向けた最初の一歩だ」と応じ、会談は和やかな雰囲気で始まった。
しかし、ゼレンスキー氏がロシアについて、これまでも停戦合意を破ってきたと指摘し、米側の対ロ融和姿勢への不信感を表明すると、雰囲気が一変した。トランプ氏は第3次世界大戦を引き起こす危険を冒しているとゼレンスキー氏を批判し、米国との取引に応じなければ「手を引く」と表明。険悪な雰囲気のままやりとりは終了した。
両首脳は会談に合わせて合意文書に署名するはずだったが、署名式は見送りになり、共同記者会見も中止となった。ゼレンスキー氏が会談後にシンクタンクで行う予定だった講演もキャンセルされた。