ハマスの脅威を過小評価=「奇襲計画は非現実的」―イスラエル軍 2025年02月28日 16時48分

イスラム組織ハマスのロケット弾攻撃を受け、燃え上がる車=2023年10月7日、イスラエル南部アシュケロン(AFP時事)
イスラム組織ハマスのロケット弾攻撃を受け、燃え上がる車=2023年10月7日、イスラエル南部アシュケロン(AFP時事)

 【エルサレム時事】イスラエル軍は27日、イスラム組織ハマスによる2023年10月の奇襲に関し、攻撃に至るまでの軍の情報分析や発生時の対応などを調査した報告書を公表した。報道によれば、ハマスの大規模攻撃計画に関する情報を得ていたものの「非現実的で実現不可能」と見なし、軍が脅威を過小評価していた失態が浮き彫りになった。
 現地メディアなどが伝えた報告書の概要によると、奇襲ではハマス戦闘員ら約5000人が3段階に分けてパレスチナ自治区ガザからイスラエル領内に侵入。近くの軍駐屯地は短時間で制圧され、指揮系統も崩壊状態に陥った。
 イスラエル軍は奇襲前日に幾つか異変を察知したが、攻撃が差し迫っているとは判断しなかったという。
 また、軍情報機関はハマスが大規模な戦闘には関心がなく、地上での越境攻撃はガザを取り囲むフェンスで防げると予測。ハマスのガザ地区トップだったシンワル氏(昨年10月に死亡)については「イスラエルとの緊張激化を望んでいない現実主義者」と誤解していた。
 報告書は「軍の対応や意思決定は、ハマスに対する数年間の誤った分析に基づいていた」と指摘した。これを受けてハマスは、声明で「パレスチナ人の意志が占領軍(イスラエル軍)より勝っている表れだ」と主張した。 

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