野党指導者暗殺から10年=現場で献花、記者ら拘束―ロシア 2025年02月28日 15時21分

ロシアのウクライナ侵攻に先立つ2014年の軍事介入を批判した野党指導者ボリス・ネムツォフ元第1副首相が15年に暗殺されてから、27日で10年を迎えた。モスクワのクレムリン(大統領府)近くにあるネムツォフ氏が凶弾に倒れた橋では、警官が厳戒態勢を敷く中でも献花する支持者らが絶えず、独立系メディアによると、現場から中継した記者を含む4人が拘束された。
ロシアでは昨年2月、ネムツォフ氏の盟友だった反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が獄死した。プーチン政権はウクライナ侵攻下の言論統制で反戦デモを封じ、政治犯を事実上「国外追放」したが、野党勢力の動きに神経をとがらせているもようだ。
ネムツォフ氏は生前、プーチン大統領に忠誠を誓うロシア南部チェチェン共和国のカディロフ首長の独裁問題も追及した。暗殺事件ではカディロフ氏の私兵が実行犯として逮捕・起訴され、実刑判決を受けたが、黒幕が解明されないまま幕引きとなっている。
ネムツォフ氏の側近として知られ、昨年8月に米ロなどの身柄交換で釈放された野党指導者イリヤ・ヤシン氏は「(暗殺が)プーチン氏の命令であることに疑いの余地はない」とSNSで主張。滞在するドイツのベルリンで3月1日に、在外ロシア人による「反政権デモ」を行う計画だと明らかにした。