トランプ氏、平和維持への関与確約せず=ウクライナ巡り冷や水―英仏首脳と相次ぎ会談 2025年02月28日 14時22分

【ワシントン時事】トランプ米大統領は27日、ホワイトハウスでスターマー英首相と会談し、ロシアによる侵攻が続くウクライナでの停戦に向けて意見交換した。24日にはフランスのマクロン大統領とも会談し、欧州の同盟国との協議を加速させている。しかし、英仏が停戦成立後のウクライナに欧州主導の平和維持部隊を派遣する考えを表明する中、トランプ氏は平和維持への関与を確約せず、冷や水を浴びせた格好だ。
トランプ氏は会談で、ロシアのプーチン大統領との停戦協議について「多くの進展があり、かなり急速に進んでいる」と合意に自信を示した。これに対し、スターマー氏は「侵略者に報いるような和平であってはならない」とくぎを刺した。
停戦が成立した場合にプーチン氏が順守するかを巡っても、米英首脳の温度差は明らかだ。トランプ氏は「彼は約束を守るだろう」と述べ、再侵攻を想定していないとの考えを表明。一方、スターマー氏は「プーチン氏が再び(停戦合意を破って)同じことを繰り返しても対処できるよう、永続的な合意が重要だ」と不信感をあらわにした。
英メディアによると、英仏は他の欧州諸国と共に、3万人規模の平和維持部隊のウクライナ派遣を検討中。スターマー氏は米国による「バックストップ(安全網)」として、平和維持部隊への後方支援や情報収集などを求めているという。
だが、米政権高官は27日、米軍のウクライナ派遣を否定し、平和維持に向けた資金提供もしない考えを示した。トランプ氏も、記者団から繰り返し質問を投げ掛けられても「英軍は精強で、助けを必要としないだろう」などとはぐらかした。
トランプ氏はマクロン氏との会談でも、平和維持への関与について曖昧な態度を取り続けたとされる。スターマー氏は3月2日、欧州主要国首脳をロンドンに集めて対応を話し合う予定だが、米国と英仏の間に横たわる溝は簡単に埋められそうにない。