カナダ・メキシコ、関税回避へ協議=トランプ氏、麻薬対策「進展ない」 2025年02月28日 09時12分

【ワシントン時事】トランプ米大統領は27日、合成麻薬フェンタニルの米国への流入が続いているとして、予定通り3月4日にカナダ、メキシコからの輸入品に25%の関税を課すと表明した。両国は、閣僚や政府高官を米国に派遣。麻薬対策の強化などを巡る協議を進め、発動回避を目指す。
中国には、2月4日に発動した10%の追加関税にさらに10%を上乗せすると発表。フェンタニルの多くが中国で製造され、カナダやメキシコを経由して米国に流れ込んでいると非難した。
トランプ氏は記者団に、麻薬対策で十分な進展があったかと問われ、「まったくない」と回答。SNSでは、米国に流入する麻薬は「かなり多く、容認できない水準だ」との認識を示した。
メキシコのシェインバウム大統領は27日の記者会見で、外相や軍トップらがルビオ米国務長官と会談すると明らかにした。ロイター通信によると、エブラルド経済相も米国のグリア通商代表やラトニック商務長官と会い、麻薬対策や貿易問題を協議し、関税発動を停止するよう訴える。
カナダのトルドー首相は会見で、「カナダから米国に流入するフェンタニルは、全体の1%以下だ。国境対策を強化している」と説明し、米国に理解を求める考えを表明。関税回避に向けて「必要なことはすべてやる」と強調した。ただ、米国が発動した場合は「即座に極めて強い対応を取る」とも話し、報復を示唆した。