4万円定着試す展開に
ニッセイ基礎研究所研究員・森下千鶴氏 2025年07月03日 14時35分
米国の利下げ期待、地政学リスクの後退により日経平均株価が一気に4万円台へ上昇した。一服感も見られ、今後は4万円の定着を試す展開が続くとみる。
これまでの上伸を主導してきた半導体関連銘柄の動向に加え、内需や金融といった他業種に物色が広がるかがポイントになるだろう。
また、市場にもトランプ米大統領の発言に対する耐性が徐々に付いてきた。関税政策を巡って4月に起きた「パニック売り」のような展開は現時点では考えづらい。
ただし、短期間に急上昇した反動には注意が必要だ。悪材料が出ると大きく下に反応することもある。その場合、下値のめどは3万7000円程度だ。
米国による相互関税の上乗せ分の適用を一時停止する期限が今月9日に迫り、8月には米中貿易交渉の期限を迎える。楽観できないイベントが控えており、関税政策が企業業績に与える影響が織り込まれていくだろう。