〔NY外為〕円、144円台前半(26日) 2025年06月27日 06時44分

 【ニューヨーク時事】26日のニューヨーク外国為替市場では、米金融政策への政治的介入を警戒してドルが売られ、円相場は1ドル=144円台前半に上昇した。午後5時現在は144円35~45銭と、前日同時刻(145円21~31銭)比86銭の円高・ドル安。
 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは25日、トランプ大統領は早期利下げに慎重なパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長への批判を強め、後任議長を今年夏から秋にかけて、前倒しで発表することを検討していると報道。中央銀行の独立性が脅かされるとの懸念から、海外市場ではドルに売り圧力がかかり、ニューヨーク市場は144円40銭近辺で取引を開始した。
 パウエル氏の任期は来年5月までだが、早めに人事を発表すれば、パウエル氏の影響力がそがれる恐れがある。金融緩和に前向きなハト派候補が指名されるとの見方も意識され、ドルが売られた。日系証券筋は「米国の債務上限問題に加え、減税法案や関税を巡る不確実性の高さも、ドル離れの要因となっている」と分析した。
 朝方発表された米経済指標は強弱まちまちだった。1~3月期の実質GDP(国内総生産)確定値は、季節調整済み年率換算で前期比0.5%減と、改定値(0.2%減)から下方修正された。一方、週間新規失業保険申請は23万6000件と前週から1万件減少。また、5月の耐久財受注は高関税政策の影響などで、前月比16.4%増と大きく伸びたが、相場の反応は限られた。
 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1696~1706ドル(前日午後5時は1.1655~1665ドル)、対円では同168円85銭~95銭(同169円27~37銭)と、42銭の円高・ユーロ安。

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