ガザ「全てが足りない」=国際医療NGOスタッフ 2025年06月27日 17時59分

パレスチナ自治区ガザで活動する国際医療支援NGO「国境なき医師団」の村元菜穂さん=2025年1月(国境なき医師団提供)
パレスチナ自治区ガザで活動する国際医療支援NGO「国境なき医師団」の村元菜穂さん=2025年1月(国境なき医師団提供)

 イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザで活動する国際医療支援NGO「国境なき医師団」(MSF)の村元菜穂さん(34)=名古屋市出身=が27日、時事通信社のオンライン取材に応じ、「医薬品も燃料も食料も、全てが足りていない」と窮状を訴えた。医薬品だけでなく病院運営に不可欠な燃料も不足し、医療は崩壊状態だと強調した。
 ガザでは3月2日にイスラエル政府が境界を封鎖し、物資搬入が停止。5月18日に搬入再開が認められたが、その後も厳しい制限が続いている。村元さんは「(封鎖前は)毎日トラック500台分の物資が届いていたが、今は約1カ月前に届いた4台分だけ」と説明。いつ底を突いてもおかしくない状況だと語った。
 5月にガザに入った村元さんは、封鎖前の1月にも現地で活動していた。ガザ住民の状況について「(1月と比べ)全体的に疲れ果てている。生死の不安を抱えながら毎日葛藤している状態だ」と指摘。「現地の子どもが『早く戦争を終わらせてほしい』と叫んでいる」と悲痛な声を伝えた。 

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パレスチナ自治区ガザに届いた医療物資=5月22日(国境なき医師団提供)
パレスチナ自治区ガザに届いた医療物資=5月22日(国境なき医師団提供)

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