〔NY石油〕WTI3日ぶり反発、62.52ドル(2日) 2025年06月03日 04時51分

 【ニューヨーク時事】週明け2日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、過度な供給過剰懸念の緩和などを背景に、3営業日ぶりに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値(終値に相当)は前週末比1.73ドル(2.85%)高の1バレル=62.52ドルだった。8月物は1.75ドル高の61.54ドル。
 石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は5月31日、オンラインで会合を開き、7月に日量41万1000バレルを増産することで合意した。大幅増産は3カ月連続となった。一方、前週の一部報道を受けて警戒されていた日量41万1000バレルを超える増産は回避されたため、供給過剰への警戒感が幾分後退し、投資家心理が改善。買い安心感から、相場は一時64ドルに迫る水準まで上昇する場面もあった。ただ利食い売りも出やすく、あと上げ幅を一部縮小した。
 カナダ・アルバータ州で発生した山火事に伴う供給不安も相場の支援要因。ロイター通信の試算によると、2日時点で、同国全体の産油量の7%に影響が及んだという。一方、トランプ米政権による新たな関税措置を巡る懸念を背景としたドル安も相場を下支えた。
 市場参加者らは、ウクライナ情勢を巡る先行きに引き続き注視。ウクライナのゼレンスキー大統領は1日、同国保安局(SBU)が主導し、ロシア各地の空軍基地にドローン攻撃をしたと認めた。一方、ロシアのウクライナ侵攻を巡る両国の直接協議が2日行われたが、停戦などに関し、具体的な進展はなかったとみられる。
 ▽ガソリン=上伸。中心限月7月物の清算値は3.74セント高の1ガロン=205.25セント。
 ▽ヒーティングオイル=上伸。7月物の清算値は3.91セント高の1ガロン=204.45セント。

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