〔NY金〕反発、3397.20ドル=1カ月半ぶり高値(2日) 2025年06月03日 04時12分
【ニューヨーク時事】週明け2日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米中貿易摩擦激化や地政学リスクへの警戒感を背景に安全資産としての金需要が強まり、反発した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前週末比81.80ドル(2.47%)高の1オンス=3397.20ドル。中心限月の清算値ベースで4月下旬以来、約1カ月半ぶりの高値となった。
トランプ米大統領は5月30日、鉄鋼・アルミニウムの輸入に課す追加関税を現行の2倍となる50%に引き上げる方針を表明した。トランプ氏はまた同日に「中国が米国と合意に完全に違反した」とSNSに投稿。相互関税率の引き下げや重要鉱物の取引に関する合意に違反したとして、中国に対して厳しい措置を取る可能性を示唆した。これを受け、市場では米中の貿易摩擦激化や米通商政策の不確実性が警戒され、投資家のリスク選好度が低下。金は安全な資金の逃避先となり、相場は一時3400ドル台に乗せた。
ウクライナ情勢の先行き不透明感は根強く、投資家のリスク回避姿勢を強めた。ロシアのウクライナ侵攻を巡る両国の直接協議が2日、トルコの最大都市イスタンブールで行われ、約1時間で終了。両国の直接協議は今年に入り2回目で、両国代表は和平に向けた覚書の草案を取り交わすとともに、新たな捕虜交換で合意した。
外国為替市場では、ドル安・ユーロ高が進行。ドル建てで取引される商品の割安感が生じたため、金の買いに拍車を掛けた。