〔NY金〕反落、3300.40ドル(27日) 2025年05月28日 04時12分

 【ニューヨーク時事】連休明け27日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米国と欧州連合(EU)の貿易摩擦激化への警戒感が和らぐ中、安全資産としての金需要が後退し、反落した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前営業日(23日)比65.40ドル(1.94%)安の1オンス=3300.40ドル。
 トランプ米大統領とフォンデアライエン欧州委員長は25日に電話会談し、貿易交渉を加速させることで合意。トランプ氏は同日、SNSの投稿で、EUからの輸入品に6月1日以降、50%の関税を課すとした方針を取り下げ、7月9日まで発動を延期すると表明した。これを受けて、米国とEUの貿易摩擦激化への過度の警戒感が後退し、安全資産とされる金の売りが活発化。相場は一時3300ドルを割り込んだ。
 市場のリスク投資意欲が改善する中、米株価は急反発。外国為替市場では、ドルが買い戻され、ドル高・ユーロ安が進行。ドル建てで取引される商品の割高感につながったことも、金の売りを促した。
 金相場はこのところ、米政権の関税政策を巡る動向に一喜一憂し、ボラティリティーが高まっている。一部の市場関係者は、米国と貿易相手国の通商交渉でディール(取引)が成立するとの見方があり、相場を下押ししていると指摘。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)が間もなく利下げに動く公算が大きく、長期的な見通しは引き続き強気との声が聞かれた。

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