ブラジル農業フィンテックに出資=日本の食料確保支援―JICA 2025年05月29日 05時23分

式典に参加したアグロレンドのアンドレ・グレゼル最高経営責任者(右から2人目)と国際協力機構(JICA)の宮崎明博ブラジル事務所長(左端)ら=28日、サンパウロ
式典に参加したアグロレンドのアンドレ・グレゼル最高経営責任者(右から2人目)と国際協力機構(JICA)の宮崎明博ブラジル事務所長(左端)ら=28日、サンパウロ

 【サンパウロ時事】国際協力機構(JICA)は28日、ブラジルの中小農家に対して「申請から最短2日間」で融資を実行するフィンテック企業「アグロレンド」に出資することを決め、最大都市サンパウロで調印式典を開いた。農業大国ブラジルから大豆やトウモロコシなどを輸入している日本の安定的な食料確保につなげたい考えだ。
 アグロレンドはブラジル農業の7割超を占める中小農家のネックとなってきた資金調達の分野で、ITを活用した融資の審査期間短縮などに成功。種子や肥料などの購入に資金が必要な農家は、通信アプリ「ワッツアップ」を使って申請し、迅速に融資を受けることができるようになった。
 2020年12月設立の同社はブラジルで約2700件の農家にサービスを提供。今回は事業拡大に向けJICAなどから5600万ドル(約80億円)を調達した。アンドレ・グレゼル最高経営責任者(CEO)は「ブラジルの農業拡大は世界にとっても重要だ」と指摘。将来的にニューヨーク市場での株式上場を目指す方針を表明した。 

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