〔NY金〕続伸、2946.80ドル=2週間半ぶり高値(12日) 2025年03月13日 04時14分
【ニューヨーク時事】12日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は続伸。貿易摩擦激化や景気後退リスクをにらみ、安全資産としての観点から物色された。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比25.90ドル(0.89%)高の1オンス=2946.80ドルと、2週間半ぶりの高値を付けた。
米労働省が朝方発表した2月の消費者物価指数(CPI)は、インフレの落ち着きを示唆する内容。総合、コアの上昇率はともに前月比0.2%と、市場予想の0.3%を下回った。ただ、前年同月比で見ると、コアCPIの伸びは3.1%で高止まり。また、トランプ米政権が2月初旬に発動した対中関税引き上げの影響が今後顕在化するとみられることから、発表後はもみ合い商状となった。
しかし、売り買い一巡後は、米高関税政策を巡る動向に注目が集まり、金相場はじりじりと上昇。トランプ米大統領は12日、全ての鉄鋼とアルミニウムに25%の追加関税を課す措置を発動した。これに対抗し、カナダと欧州連合(EU)は報復関税の導入を即日発表。前日には、米加両国が一部関税賦課を決定後に間もなく取りやめる一幕があり、不確実性が高まる中で、金相場は当面底堅く推移するとみる向きが多い。